鍼灸で怪我や病気が治るのか?
それは期待されることの一つでもあり、鍼灸の効果だと言い切りたいところでもあります。
残念ながら、「治る」と言い切ってはいけないという法律上の決まりがあって、はり、きゅう師は国家資格である以上法律を遵守しなくてはいけないのです。
治るという言葉の定義を曖昧にしてはいけないので、痛みが和らぐとか、辛い症状が解消します。とかいう表現をしていますが、それをもうひとつ踏み込んでみると、「自分に還る」ことが「治る」ということだと私は考えています。
自分の限度や、感受性を離れることが、体にとっては不可なのであって、これはストレスです。この状態が長引くほど健康が維持し難くなるのでは無いかと考えています。
自分にとっての心地よい状態に還っていけば、自分の体の力で健康な状態になれるのでは無いのでしょうか?
原因がスパッと分かりたいとか、早く不快な症状から解放されたいのは、というのは誰もが同じです。体は常に変化しているので揺れながら、振り戻りながらゆっくり回復します。
鍼灸施術では治らない症状もあります。でも、改善することもできるのです。
東洋医学の考え方では、治るのは本人の力であって、鍼や漢方はサポートする方法なのですが、そこをどうサポートしてゆけれのかも鍼灸師の仕事になるけど、そこがなかなか難しいところです。
コンディションを整えることが鍼灸の「治る」ということをご理解いただけますようお願いします。