手の温もりを伝える

今日はひさしぶりに、「どうして鍼灸師になろうと思ったのですか?」という質問を頂いて、自分が鍼灸師の道に進んだきっかけや原点を振り返ってみました。

そもそも、鍼に出会ったきっかけは、30代の頃に体調不良で悩んでいたのを、西洋医学では検査値に表れなくて、「異常なし」と言われていたのをですが、流石に毎日が辛くって「鍼灸が良いって聞くけど、どうなんだろう?」と思って受けてみたんです。

その時の先生が手で私の背中に触るなり「こんなに背中の筋肉が固まっていたら、辛かっただろうに。良くこの体で頑張ったね。」と声をかけてくれました。

そに時の胸がホッと温かくなる思いがけない私の原点です。

「こんなふうに手を当てて、心の緊張も解してくれる医療があったんだ。」と感動したんです。

やがて私も鍼灸の道に歩事となりましたが、折に触れて思い出すのは私の背中を触れて寄り添ってくれた鍼灸師の先生の温かくて柔らかい手なのです。

人の手の温もりを伝えられる鍼灸師でありたい。「良くなってね」という気持ちを込めて体に触れる鍼灸師であり続けたい。と思いを新たにした日でした。

良い週末をお過ごしください。

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